日本最古の気象台 綾部八幡神社の旗について

旗上げ神事で使われる神旗のお話

 

旗上げの「旗」について

綾部八幡神社は元久2年(1205年)の創建で800年の歴史があり、旗上げ神事の起源となった隆信沙門の伝説からは1000年以上の歴史があります。神事はそのころから変わらず伝えられてきたしきたりを守っているそうです。

ところで、この神旗や竹、縄には多くの人の手を使って用意されているのをご存じでしょうか。まず当日、綾部八幡神社の氏子達は神旗や神旗を取り付けるための竹や縄を準備するため朝9時に集まります。

  
↑麻紐の材料の麻               ↑旗上げ前に氏子の手によって1本ずつ綯います

   
↑2本の麻紐を三人ががりで編み上げて…    ↑1本の縄を作ります(写真は3本できています)

ご神旗を竹に縫い付ける麻ひもは手作業で(縄の方向が右下から左上になるように)綯(な)います。(※これを左縄と言い、神社の正面の鳥居のしめ縄と同じ意味をもっているそうです。)また、旗を縫い付ける竹は今年の青竹を使わず、1年前に切って用意された割れていない物を使用することになっています。


  
↑ご神旗も氏子によって当日全て手作りします。 ↑房かざりも編み上げていきます。

  
↑ご神旗の麻紐の組み方の巻物      ↑記されているように編み上げます。

  
↑風雨にささられても決して壊れないようにしっかり結います。 ↑旗を記す気の抜けない一瞬。

ご神旗に使用する麻布は、昭和50年頃まで地元で栽培された麻を紡ぎ織っていましたが、現在は麻を栽培するためには特別な許可がいるため、麻布だけは購入したものを使用しています。ご神旗(幅一尺、長さ一尺二寸)と綯った麻ひもは昔から決まった結び方でご神旗に取り付けられます。

子ども神輿と旗上げ神事

中原小学校の5,6年生による子ども神輿が綾部八幡神社から500m南の農協倉庫から出発し、旗上げ神事が始まります。


「ワッショイ!ワッショイ!」と神輿を上下させながら元気よく進む子どもたちに、周囲から勢い水が掛けられ水をあびた子どもたちから大きな笑い声が上がります。


子ども神輿が神社に到着すると、ご神旗が拝殿に運ばれ、氏子達や御神木に上る男衆がお祓いを受けます。男衆が締め込み姿に着替える間、氏子達は長さ18mの竹にご神旗を取り付けます。

 

樹齢600年、高さ25mの御神木の銀杏に地上から30メートルの位置にご神旗が見えるよう上・中・下の位置に男衆がのぼりはじめます。前日の雨で濡れている木肌は滑りやすく、慎重に手や足の位置を確かめながら上っていきます。氏子達が木の上で位置についた男衆にご神旗が付いた竹を渡すと腕の力だけで御神木の頂上まで上げられます。旗上げを終えた3人が無事に御神木から降りて地面に足が付くと、見守っていた人たちから大きな拍手が
湧き起こりました。
これから旗を降ろす72日間、綾部八幡神社では豊作や人々の幸せを祈願し、朝と夕方に揚げた旗を見て気象観測を行います。

 

 

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